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人がつながるお寺づくり

人がつながるお寺づくり ~「講」から学ぶ~

かつて「講」(こう)呼ばれた組織がありました(今も残っている地域もあります)。講とは人々の集まりのことで、元々は仏教の講話を聞くための集会を意味していました。
 その活動は主に月に一度の仏法聴聞の会合であり、お寺にとどまらず、地域の方々が集える場所で行われていた聞法サロンのようなものでした。多い時には全国に数千という講があり、本山を護持する重要な財政基盤でもありました。
 転じて、相互扶助的な団体や会合を意味するようにもなりました。よく知られる「無礼講」(ぶれいこう)は身分の上下の区別をわからなくした茶会のことですし、当寺院がある地域(一部の仏教会)では現在でも「無尽講」(むじんこう)と呼ばれる組織がの残っています。
 無尽講は地域の人々がお金を出し合って、たまったお金を参加者が順番にもらうという相互扶助システムで、助け合いや地域の和を大切にする精神による集まりです。(現在のクラウドファンディンも精神的な意味ではそれに通ずるものがあると思います)
 何れにしても「講」は一定の目的のもとに集い、そこでは職業や学歴などの差別なく、互いを尊重しあい「和」を大切にした集まりであったと考えられます。
 「講」だけではなく、町内会など、時代とともに薄れ消滅しかけている「相互扶助的な集まり」ですが、度重なる災害や格差や貧困問題によって、多くの人たちが助け合うことの重要性に気づいています。
 だからこそ当寺院は助け合える社会のために少しでも貢献し、皆がともに集い、ともに笑い、ともに泣くことのできるお寺づくりをして行きたいと思うのです。
 コロナ渦で人が集まることがタブーとされる現在ですが、それでも人がつながれるお寺づくり、何ができるかよく考え実行していきたいと思います!

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