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十五夜の起源は?仏教との関わりは?

今日2021年9月21日は中秋の名月、しかも八年ぶりの満月だそう。

この十五夜、旧暦の八月十五日、収穫の時期であることから、月に収穫を感謝する日本独自の神事と思われがちですが、元は中国の『中秋節』が由来とされています。中秋節は中国の伝統的な三大節句の一つです。

 日本の十五夜はお団子をお供えしますが、中国ではお土産としてもよく知れらている月餅を供え、食べながら、月を愛でて収穫を祝ったそうです。

平安時代に日本に伝わり、貴族の間で月明かりを楽しみながら詩を詠んだり酒席の宴を行いました。一般庶民に広まったのは、江戸時代といわれています。

 十五夜自体は中国からの文化ということで、直接的には仏教とは関りがありません。

ですがよく知られる「月の兎」の話は、大元は仏教に由来するものです。

 月の兎の話は『今昔物語』に記されるものですが、第五巻13話は「今は昔、天竺に兎・狐・猿、三(みつ)の獣ありて、共に誠の心を発(おこ)して菩薩の道(どう)を行ひけり」と始まります。

三匹の獣が身をやつした老人をみると、猿は木の実を、狐は魚を捧げます。ところが兎はあちこちを求め行けども捧げるものが見つからず、その身をを燃える火の中に投じ捧げました。その時老人は帝釈天となり、この兎の捨身の姿を月の中に移して、あまねく人々に月を眺めるごとに兎の尊い姿から慈悲の心を学ぶ様に示したという話です。

 このお話、元々はジャータカというお釈迦様の前世であったときのお話に由来しています。お釈迦様は過去世で様々な動物であったり、国王であったりするのですが、他のものを救うためにその身を捧げた菩薩であったことを示されています。

 月を眺めなら、時々月の兎の物語に心を馳せ、心の熱を冷ましつつ、自らの生き方を訪ねてみるのも良いのではないでしょうか。

 ということで、今宵はお寺で家族とお月見をし、仏様に感謝のおつとめをさせていただきました。仏事としてのお月見もなかなかいいもんです!

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